ショッピングモール・病院・市民会館といった複合的な機能を持つ施設にはさまざまな目的を持った人が訪れるため、スムーズな案内業務は欠かせないものとなります。ただ、看板や案内図、屋内標識の設置といった従来の設備は、複雑な案内を行うには必ずしも十分な機能を持っているとは言えません。そこで、近年ではデジタル技術を活用した新しいタイプの設備を導入して、来訪者の便宜を図る施設が増えてきています。その先進技術の1つが、デジタルサイネージです。
デジタルサイネージとは、文字や画像などのデータを表示することのできるディスプレイ装置です。薄型のパネル状になっていて、壁に取り付けたり支持台に乗せて床面に置いたりと、いろいろなスタイルで設置できます。ディスプレイ画面に画像を映し出して案内や告知を行うという手法自体は、ヴィデオモニターを使って以前から行われていました。しかしデジタルサイネージには、これまでの画像再生装置とは異なる特徴があります。
それは、インタラクティブ性能を持っているということです。デジタルサイネージの中にはタッチパネル機能を備えたものがあり、利用者が画面に触れることで任意の情報を引き出すことができるようになっています。これを利用すれば、たとえば施設の館内地図を最初に表示しておき、利用者が行きたい場所をタッチすることでさらに詳細情報を表示するといった使い方が可能になります。また、外国人の利用が多い施設では、案内表示を外国語表示に切り替えることもできるため非常に便利です。